昭和初期に生れ、戦後の早大生時代に植芝盛平、植芝吉祥丸、船越義珍、中村天風、日野正一の諸先生の教えを受け、合気道の稽古を生涯の道と志す。
昭和から平成への激動の時代に、合気会本部道場師範を務め、各大学に合気会を創設、自らの道場も主宰し、さらに欧州各国への普及に尽力。
合気道に活きた泰斗の軌跡を余すところなく示す珠玉の一冊。
【CONTENTS】
第一章 生い立ち
一 原点
二 幼稚園から小学校時代
三 第一東京市立中学校
第二章 師との出会い
一 松濤 船越義珍先生
二 植芝盛平先生・吉祥丸先生
三 中村天風先生
四 鉄叟日野正一先生・みちゑ先生
第三章 生き方の方針
一 植芝道場 先輩の教え
二 命の基を訪ねて
三 一生の方針を定める
第四章 植芝盛平先生の教えと稽古
一 気の錬磨
二 合気道の心
三 心学の道、心法の道
四 稽古と法
五 稽古の目的、人の生き方
六 「機」について
七 錬る
八 自然な動き
九 場を主宰する
第五章 合気道の普及
一 合気道の発展
二 「気の流れ」の錬磨
三 ヨーロッパの合気道
四 合気道の国際的普及
五 気の流れと縁
第六章 呼吸法(調気の法)
終 章 稽古を顧みる
【著者プロフィール】
多田 宏(ただ・ひろし)
昭和4年(1929)12月14日生。東京都出身。早稲田大学第一法学部在学中の昭和25年、植芝道場に入門、合気道を始める。植芝盛平先生、吉祥丸先生に師事。同年、天風会入会、中村天風先生に師事。同年、一九会道場入会、日野正一先生に師事。昭和27年早稲田大学卒業。合気道の稽古と日本武道の歴史研究を専門とする道に進む。
合気道本部師範・防衛庁師範を務め、慶應義塾・学習院・早稲田の各大学合気道会設立に尽力、師範となる。昭和39年渡欧し、欧州各国での合気道普及に尽力。イタリア合気会を創設。
現在、合気会本部師範、早稲田大学合気道会名誉師範、東京大学合気道気錬会名誉師範、イタリア合気会主任教授、国際合気道連盟委員など。また、合気道多田塾を主宰。