空手は沖縄で発祥し、日本本土に伝承され、今や世界のKARATEとなった。その歴史と技法を、那覇系剛柔流の小山正辰氏、首里系松濤館の和田光二氏、沖縄空手研究の第一人者である嘉手苅徹氏の共同執筆で重層的に紐解く。嘉手苅氏が発見した剛柔流の開祖・宮城長順の最新の事実、小山・和田の両世界チャンピオンのエピソードなども満載。空手の真髄に迫る白眉の一冊。
【目次】
第1章沖縄編 嘉手苅徹
第1節空手道史と沖縄
第2節琉球の徒手武術の三つの側面
第3節琉球処分後の唐手
第4節唐手の学校教育への導入1
第5節唐手の学校教育への導入2
第6節沖縄各地に普及する唐手
第7節中国拳法伝来説の変遷
第8節新型の創案・制定
第2章関東編 和田光二
第1節船越が本土に気づいた礎
第2節本土における唐手の定着
第3節本土における唐手の広がり
第3章関西編 小山正辰
第1節嘉納治五郎と唐手
第2節大日本武徳会と唐手
第3節流派発生
第4節関西の学生たち
第5節東西の学校 深化・交流
第4章戦後編
第1節はじめに 和田光二
第2節国を超えていく空手の道 和田光二
第3節第1回世界空手道選手権 和田光二
第4節空手道の国際化―空手発祥の地、沖縄から 嘉手苅徹
第5節戦後の国体正式種目に至る組織化・競技化 小山正辰
第6節組手・形競技と審判、競技社会の形成と変遷 小山正辰
第7節「中学校武道必修化」への取り組みと「オリンピックへの道」 小山正辰
第8節全日本空手道連盟(JFK)、世界空手連盟(WKF)の組織と活動 小山正辰
第5章特別座談会「連載を終えて」
【著者紹介】
小山正辰(こやま・まさし)
昭和27(1952)年香川県生まれ。現在:森ノ宮医療大学特任教授、大阪大学非常勤講師、日本武道学会空手道専門分科会会長、全日本空手道連盟公認六段
和田光二(わだ・こうじ)
昭和24(1949)年神奈川県生まれ。現在:全日本空手道連盟松濤館常任理事、一般社団法人三田空手会理事・進級昇段審査委員長、全日本空手道連盟公認六段
嘉手苅徹(かでかる・とおる)
昭和31(1956)年沖縄県生まれ。現在:琉球大学・沖縄大学非常勤講師(運動・スポーツ科学演習空手)、沖縄剛柔流空手道協会常任理事、沖縄県文化芸術振興審議会委員他、沖縄剛柔流空手道協会七段