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グレードアップ技術特集

第11回:中掘成生&渡邉梨恵のストロークの打ち分け楽勝レッスン! Part2

今回は特別に、全日本チャンピオンであるNTT西日本広島の中堀成生選手と渡邉梨恵選手に登場いただき、「ストロークの打ち分け」をテーマに独自のテニス論を熱く語ってもらった。基本的に打ち分けとは、相手前衛に読まれてはいけない。つまり、同じフォームからストレートにも、クロスにも打たなければならない。その最高技術を習得することは容易ではないが、ジュニア選手が陥りがちな悩みや素朴な質問に対して、中堀・渡邉両選手が心構えや技術的重要ポイントをていねいにアドバイスする。トッププレーヤーの金言を胸に、今シーズンの我が華麗なるストローク打ち分けを夢に描き、さぁ、好ダッシュを踏み出そう!

解説・中堀成生(なかぼり・しげお)
1971年11月15日生まれ。兵庫県出身。広畑中→香川西高→中央大卒。現在は実業団のNTT西日本広島に所属。

解説・渡邉梨恵(わたなべ・りえ)
1980年1月22日生まれ。広島県出身。広瀬中→広島女子商業高卒。現在は実業団のNTT西日本広島に所属。

Question5
 スイングの途中で相手の動きが見えたときどう対処すればいいですか? ロビングでかわすことができれば最高だし、シュートで相手前衛が狙うボレーポイントの先を行ければ新たな展開が生まれそうな気もします。また、相手前衛が動くとわかったら、あえてぶつけに行くことは賛成ですか?

Answer(解答者・中堀)
 そんな選手がいたらメチャメチャすごいよ。スイングの途中で相手が動き出したからといって、ロビングなんて上げられない。なぜなら、自分は打つ動作に入ってしまっているから。最初から、シュートを打つかロビングを上げるかは決めているものです。

 若干の修正はききますよ。自分はシュートを打つと決めていた場合、それをクロスに厳しく引っ張ったり、相手前衛にぶつけたりはできる。でも、全部が全部そう対応できるわけではありません。修正は経験を積んだ選手でもむずかしいことなので、中学生や高校生は変に小細工しようとするのではなく、こう打つと決めたことは貫いて打った方がいい。相手前衛がどうだこうだと言うよりも、自分が狙ったところにボールをきちんと打てることが、まず大事なのです。結果、相手前衛に取られても仕方がないでしょう。それを嫌がってフォームも何もかも崩れてしまっては、テニスにはなりません。次がある。

Question6
 相手に打ち分けをされたときの対処を教えてください。逆クロス(バックハンド側)にロビングで振られたとき、まず注意しなければならないのは何ですか? また、相手(前衛・後衛)の動きを確認するタイミングはいつなんでしょうか?

Answer(解答者・渡邉)
 フォアハンドに回り込めるボールだったら回り込んだ方がいいですが、回り込んで詰るくらい手ごわいロビングが来たのなら、バックハンドストロークで返球する方がいいでしょう。バックハンドストロークは相手を見ながら打つと身体が開くので、打つときは相手を見ないようにして、相手前衛のだいたいの位置を走りながら確認しておきます。

 基本的に、走らされたボールをバックで打つということは、ベースラインよりはるか後ろから打つことが多いので、女子の場合、シュートで返球する選択はほとんどないと思います。フォアハンドに回り込んだ場合も同様、自分のポジションがコートの外にあるならば、シュートはなかなか打てません。ゲームで意表を突き、1本か2本はシュートを使うかもしれませんが、たいていはロビングで返球します。よって、相手を確認しなくてもベースライン付近にロビングを上げておけば、中学生や高校生レベルでスマッシュを決める女子選手はほとんどいないでしょう。ですから、前衛のポジション確認よりも、上げる位置を決めて打てばよいと思います。

Answer(解答者・中堀)
 フォアハンドストロークが得意で、余裕があるのなら回り込んだ方がいい。僕は、ボール方向に走りながら一瞬前衛の立ち位置を確認しています。逆クロスに上げられてバックハンドで打つ場合は、男子もロビング返球が多いでしょう。

 しかし、どんなボールに対しても、「ここからでもシュートを打てる!」という体勢を一瞬でも作ることが大事です。さもなければ、自分が受身状態であることを露呈し、相手前衛に簡単にスマッシュを狙われてしまいます。そこでシュートが打てる構えを一瞬でも見せることができれば、相手前衛は戸惑い、スマッシュを追うスタートが遅れるかもしれません。この小さな努力が勝利につながるのです。

Qusetion7
 打ち分けがうまくなるためのおススメの練習法を教えてください。

Answer(解答者・中堀)
 ストレートというのはクロスに比べたら距離が短い。だから、普段クロスばかりでしか乱打をしていない人は、ストレートで乱打をしてください。そうしたら、クロスもバンバン入る。ただし、同じ方向ばかりだと角度がつかないから、1対2で乱打することをおススメします。自分1人に相手2人。相手1人にはクロスに立ってもらい、もう1人にはストレートに立ってもらうのです。打ち分けは1本1本違いますし、やってみると意外とラリーは続かないものですよ。

 繰り返しますが、一番大事なことは、自分がしっかり打てるかどうかです。それが絶対的な基本! 相手を見る前に、まず己との勝負です。

Answer(解答者・渡邉)
 練習日誌をつけることをおススメします。私は高校生までは練習日誌などつけておらず、行き当たりばったりのテニスをしていましたが、社会人になって、監督に練習日誌をつけるようにと言われました。書き始めて以来、自分の技術を知るために毎日の練習を真剣に見つめ直し、試合をすればしっかり敗因を分析して、相手選手の特徴を細かく記すようになりました。それが豊富な戦術につながるのだと、今、たまったノートを見て痛感しています。ソフトテニスは少人数で戦うスポーツですので、自分で考えた戦術を実行しやすいことも魅力のひとつです。あなたの思いが深く刻まれたノートは、いつか最高のパフォーマンスへと導いてくれることでしょう。

 最後に自分の得意なことはやり通す必要があると思います。シュートが得意な選手は、相手前衛に何本取られても、取られることを嫌がらないこと。そこから大きな進歩があるのです。そして、勝っていても負けていても後衛の前にはボールが来るので、精神力と粘り強さが大事。あきらめないことです。

 

ソフトテニス・マガジン2006年10月号掲載

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