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テクニカル・セミナー Technical Seminar
第7回:一本背負い<前編>
 今回も前回に引き続き三谷5段のテクニカル・セミナーをお届けする。取り上げる技は「一本背負い投げ」。特に相手の意表を突いて掛け、たびたび勝利した左一本背負い投げを紹介する。相四つの場合は正対するのでなかなか得意の大外刈りにいけない。そんな時にこの技が活躍した。無差別級で担ぎ技を自由に駆使した選手はあまりいないが、三谷5段は持ち前の運動能力の高さを発揮しこの技をで何度も勝っている。
講師 三谷浩一郎
みたに こういちろう
1968年11月18日、広島県福山市生まれ、34歳。小学校1年生から近所の町道場で柔道を始める。鞆中―近大福山高―近畿大に進学し、91年に卒業。主な戦歴は90年全日本選抜体重別3位、全日本学生選手権優勝、世界学生無差別優勝。91年太平洋選手権無差別優勝。96年全日本選手権2位。99年フランス国際優勝など。左組みからの大外刈り、一本背負いが得意だった。現在、全柔連ジュニア特別コーチ。日本道路公団柔道部監督。家族は妻と2女(2歳と0歳)。

左相四つの場合



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 こちらはしっかり組むということを相手に意識させながら、大外刈りなどを中心に組み立てます。つまり相手の存在意識の中にお互いしっかり組んで勝負する、と思わせるのです。
 この技は、右引き手から始めます。まず最初に自分の右で相手の襟を取ります。こうしておいてから持ち直して左釣り手を取ります。相四つの場合、左から取ると相手に引き手をたやすく与えることになるので右引き手から取るのです。
 相手から大外などでポイントが奪えない場合に、左一本背負いにいきます。私のやり方は両ヒザ着きの背負いです。右引き手は左脇下。この時はできれば相手の脇下まで自分の腕が入るのが理想的ですが試合の時はなかなかそうは行きません。私は少々浅くても相手の左肘の少し上のところをしっかりつかむことでカバーしました。
 技に入るときのコツは、右引き手の肘と手首を使って相手を右斜め上に崩し、スペースを作ること。そこに自分の左肩から滑り込んで行くのです。崩した引き手と自分の入った高さの高低で、相手をさらに崩すことができます。
 入り込むときのポイントは相手を真後ろに担ぐこと。足の運びはスピーディーにします。この時の自分の左足は相手の両足の真ん中です。そうすれば回転したときにちょうど真後ろに担ぐことになります。
 焦りながら掛けた場合、回転が不十分で横向きに掛けると、相手が左足を前に送ってこらえ、逆に後ろに引き返されたり受けられたりします。
 投げる時につま先を立てておくのは言うまでもありません。この技は奇襲ですから、ここぞというときに掛け、必ずこれでポイントを取る、という意気込みで掛けます。

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