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テクニカル・セミナー Technical Seminar
第5回:内股すかし<前編>
 三谷浩一郎5段(34歳=日本道路公団)は90年代を代表する名選手の1人だ。90年に全日本初出場以来、00年までに9回の出場を誇る。現役時代は左の大外刈り、一本背負いや、恵まれた運動神経を利した内股すかしなどの、後の先の技も得意だった。全日本2位を始め、フランス国際、学生選手権などに優勝している。無差別でも難なく担ぎ技を出した三谷5段。今回は得意技の一つ内股すかしを披露してもらった。
講師 三谷浩一郎
みたに こういちろう
1968年11月18日、広島県福山市生まれ、34歳。小学校1年生から近所の町道場で柔道を始める。鞆中―近大福山高―近畿大に進学し、91年に卒業。主な戦歴は90年全日本選抜体重別3位、全日本学生選手権優勝、世界学生無差別優勝。91年太平洋選手権無差別優勝。96年全日本選手権2位。99年フランス国際優勝など。左組みからの大外刈り、一本背負いが得意だった。現在、全柔連ジュニア特別コーチ。日本道路公団柔道部監督。家族は妻と2女。

自分左組み、相手左組み


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 私は基本的に大外刈りや足技を中心に攻撃を組み立てていましたが、相手の仕掛けてくる攻撃に対して、返し技をよく使いました。不用意な内股や不十分な内股に対して内股すかしを使いました。と言っても、この技は後の先の技ですから相手が内股を掛けてこないと出せません。そこで、私の場合は少し組み手を緩めるなどして、相手に「内股に入れる」という意識をある程度持たせておくことが大切だと思います。

 左相四つの場合は先に右引き手から取ります。左釣り手から取ると相手に右引き手を与えてしまいコントロールされやすくなるためです。取り方は、相手の釣り手の下から、相手の脇の下を取ります。この後、すばやく自分の左釣り手を取ります。横襟あたりがいいでしょう。

 相手が左内股に来ます。待っていた私は下半身を落としながら、右引き手の手首とヒジを使って相手の回転をストップし、自分の左釣り手を強く自分の左腰の方に引いて崩します。ちょうど時計と反対方向に崩す形になります。
 相手は内股を掛けてきますが、上半身の動きはこれで制御できます。跳ね上げた足は勢いが付いているのでそのまま空中に上がります。この時に自分の右足は相手の内股に引っかからないように自分の左足の後ろに隠すように下げます。
 あとは自然に相手は自分の勢いで回転しながら落ちていきます。最後の決めは釣り手と引き手を連動させながら相手をコントロールして畳に落とします。

 相手が右組み手の場合。基本は同じですが、左釣り手は下から取ります。この方が相手を制御しやすいからです。相四つの場合とここが違います。右引き手はヒジの少し前。この後、相手が右内股を掛けてくるのに乗じて釣り手を上げ、引き手は自分の右腰の方向に引きつけてすかします。

崩し〜作り
引き手 釣り手
釣り手から取ると相手に右引き手を与えてしまいコントロールされてしまうので、引き手から取る。取る場所は相手の釣り手の下から。 ・引き手を取ったらすばやく釣り手を取る。場所は横襟あたり(写真1)
・相手の内股を誘うため、組み手を少し緩めたりする(写真2)

相手が内股に入ってきたときの上半身の動き
・右引き手の手首とヒジを使って相手の回転をストップし、自分の左釣り手を強く引いて崩す。これで上半身を制御する

全身の動き
ポイント! 相手の投げに対して、自分のバランスを崩さないように。左釣り手は相手の跳ねる足が上がるときに思いきり引き付ける(写真1)
・相手の内股に引っかからないように右足を左足に隠れるように下げる(写真2)
・相手は自然の勢いで回転しながら落ちていく。極めは釣り手と引き手を連動させながら相手をコントロールして畳に落とす(写真3, 4)

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